刻刻
刻刻 堀尾省太
これは凄く個性的な漫画でして、超能力と宗教の合体というなかなか無い題材の漫画です。
88点
いやーこの作品はアニメ化されているのですが、かなりのマイナー作でして知名度はないでしょうねー。アニメは数年前ですので、結構新しいのですがね。
あらすじとしましては超能力を代々受け継いでいる家族に宗教組織の一員が襲い掛かるというものでして、教祖が最後の方にすごいことになるという話です。
準主人公ともいえるのが家族の大黒柱のおじいさんで、ほかの男家族はだめだめで、主人公の女性がとても強く超能力でバッタバッタ敵を行動不能にするという、ある程度の思想が感じられるものです。
その超能力というのは、瞬間移動であったり、対象者を動かない世界(これが家族代々受け継がれるもので時を止めた世界に人をとどめておけますいわゆるキングクリムゾンです)から強制的に排除できるというもので、これは説明できないです文章では。
宗教の経典が本物であり、ちょっとした化け物がでてきたりもします。
時を題材にしていますので、これまたちょっとした感動などもありますね。
そんでこれまた電子書籍で1巻が無料になったりしますので、見てみてください。
暁星記
これまたSFですね。筆者はSF好きなんですね、改めて。
90点
これはかなりマイナーな漫画ですね。筆者はバガボンドがあまりに毎週読みた過ぎて、モーニングを購入していた時期があるのですが、その時期に連載されていた漫画です。
最初の方はSF感ゼロでして、未開の地の別の世界の暮らし!みたいなたまにあるような日常系なのかなーって感じなんですが、実は金星をテラフォーミングしたはるか未来のの話で主人公たちは試験的な生物だった。というちょっとネタバレしちゃいましたが、そういう話です。
途中から雑誌に連載するにはあまりに遅筆もしくはなにかしらの理由で連載が中断され、コミックへの書下ろしにて完結するという最後になりました。
それでも風呂敷はきちんと畳まれていますし、主人公の物語も決着していますので、良いまとまり方なのかなと思います。
1巻などはこれまたkindleでよく無料になりますから、見てみてください。
今の世の中の風刺もきいていますし、SFとファンタジーが融合しておどろおどろした感もありますし、グロさもありますが、作者のまっとうさが感じられるストーリーとなっています。
作者の菅原雅雪氏は、NHKかなにかのドキュメンタリーに出演され、困窮しているような記憶もあります。他の作品も素晴らしいので筆者はきちんと購入して助けになりたいと思い、彼の作品はほとんど購入しております。
漫画家の方々の経済事情は本当に厳しい人は厳しいのでしょうが、素晴らしい作品を生み出される手が失われることがないことを祈っています。
C.M.B. 森羅博物館の事件簿
C.M.B. 森羅博物館の事件簿 加藤元浩
いわゆる推理ものなのですがジャンルが多岐にわたる為、うんちくの勉強もできます!
考古学から美術品、歴史、町の小さな事件、学校イベントなどワールドワイドな物語です。短ければ1話、長くても3,4話で完結する短編ものです。
85点
主人公の森羅は14歳だが、世界中の様々な知識を学者3人の養父達から受け継ぎ、大英博物館の守護者たるC.M.Bの指輪の保持者である。
彼の知識でいろいろな事件を解いていく!という物語なのですが、作者の加藤元浩氏は推理物を得意としているようでほかにも多くの推理物を手掛けています。
単純に推理もおもしろい本作なのですが、筆者が好きなのは加藤元浩作品の人間の機微なのです。ほとんどの場合殺人が起こるのですが、人の常識、考え、そういったところから少し離れたところに人間の悲しさ強さ、弱さが見えるのです。
殺人とは人と人の行きつく最終的な関係性の極致ですので、人間ドラマの最果てでもあるわけです。
そこに至るまでの精神性が見えるのが本作です。
筆者は人間ドラマが見たくてあらゆる創造物、漫画、アニメ、映画、小説、などに際限なく手を出しているといっても過言ではありません。
やはり創造物の面白さとは人間ドラマに尽きるのではないでしょうか?
ガンダムのミノフスキー粒子はあくまでおまけなのでしょうね。
EDEN 〜It's an Endless World!〜
EDEN 〜It's an Endless World!〜 遠藤 浩輝
近未来SF。なかなかショッキングなシーン連発です。
80点
20年近く前の作品なのですが、かなり先進的な技術を披露しているSF漫画ですね。
超簡単なあらすじはデカい世界的な麻薬組織のボスの息子が主人公で、彼の周りの様々な悲劇を地球規模で描いております。
悲劇、まあつまりは人が死にまくりですよね。
SFですので、かなり技術が進んだ世界観でありまして、殺人専用マシーンアンドロイドなど犯罪と社会がテーマでもあるようです。
ほんとうに現在でも南米などでは、日本の人権思想など吹っ飛ぶようなめちゃくちゃな状況なのでしょうが、リアルな人の汚さをこれでもかというくらいに血と内臓と涙と共に絵におこす作者であります。
あまりネタバレするのはいやなのですが、序盤では知り合った少女が地雷の爆破で下半身吹っ飛び、苦しませる前に頭に一発狙撃、中盤では主人公の好きな女性が目玉くりぬかれる。
などエログロ漫画といってもさしつかえありませんね。性的なシーンもたくさんありますのでね。
SFとエログロといってもいいんでないでしょうか。
ただ感動するシーンもたくさんありますので、電子書籍で無料になっているときに読んでみてください。序盤でハマるかどうかすぐわかりますよ、、、。
岡崎に捧ぐ
作者の自伝的漫画!
79点!
彼女は漫画家というよりも漫画ライターといったほうが良いかもしれませんね。ほとんどの人にとってはファミ通でゲームの漫画書いてる人、もしくはちょっとだけツイッターでバズッた人って知名度でしょうか。
表紙通りの絵で、うまい絵とは言えないのですが味のある温かみのある絵を描きます。
この岡崎に捧ぐは作者がアマチュアの頃にネット上で連載していたものが形になったそうで、なかなか赤裸々に自らの人生を振り返っておられます。
岡崎とは作者の親友で、育児放棄ぎりぎりの家庭に生まれたなかなかハードな生い立ちなのですが、それを一切感じさせない作風になっております。
1巻はよくkindlelなどの電子書籍で無料になっていますので読んでみてください。
挫折とモラトリアムというか、大人になっていくにつれて感じるモヤモヤをうまく形にしているかなと思います。
筆者とほぼ同年代のですので、ゲームボーイだとか懐かしさを感じるその時代のアイテムも多数でてきますので、そういった面からも楽しめるかと思われます。
ちなみに作者の山本さほ氏は美人です。画像検索したらでてきます。
寄生獣
これまた映画、アニメになりました。時代を越えての他メディア化には賛否があるでしょうが。
名作。
94点
漫画が好きなら、興味があるなら。
これは読まないといけません。
何の脈絡もなくいきなり地球にマリモのような新生物が来襲し、人々の肉体を乗っ取り、人を食べ始めます。主人公シンイチは寝ぼけながらも脳への侵入を阻止したものの自らの右手は新生物に占拠されます。
その新生物(ミギー)と新生物たちとの闘いがメインテーマですかね。
この作品は物語が素晴らしいにつきます。ドラマが最高なのです。
そして10巻というちょうどよい長さ。破綻もなく矛盾もなくよどみのない流れにのっていくと感動が最後に得られるというアメイジングさです。
まあ1巻だけでも読んでみてくださいよ。結構アマゾンなんかで無料で3巻くらいまでは読めるはずです。
ちなみに映画はだめです。ミギーの声優が俳優のアベサダオでして、合わない!ほんとうに合わない!
アニメの方はミギーは平野綾という女性声優でして、いろいろあってネットでの評価は最悪の声優さんですが、やはり上手い!素晴らしい!と筆者はもともとそんなに好きでも嫌いでもなかったのですが、声優の凄さを再確認させられました。平野綾は上手いです。声優として!
イムリ
イムリ 三宅乱丈
SFオペラ。ジャンルとしてはこうなるのですが、実際はドロドロの血みどろの精神にダメージを与える。人間ドラマ漫画です!
91点
筆者は三宅乱丈氏、女性の作者なのですが彼女のことはモーニングで連載しておりましたギャグお坊さん漫画や、読み切りなどで知っていました。
なぜ買ったのかは記憶にないのですが、おそらくPETというアニメ化した三宅乱丈氏の過去作から検索してたどり着いたような気がします。このPETも超絶名作ですのでいずれ紹介します。
これまた近年多発の異世界SFものですが、他の作品とは明らかな一線を画しております。
簡単に言うと支配者と被支配者の物語。
主人公デュルクは支配者側カーマに生まれつき、素晴らしい将来を期待されていたのですが、ふとしたことから被支配者側のイムリ族に属することになります。
そこにイコルという奴隷層たちも加わり、被支配者たちの反乱から大きな戦いになる。
というような感じ。ちょっとまとめるのむずかしいんですけどね。
世界観、SF的なギミック、設定、超能力的な能力、一切破綻なくこの世界に没頭できるほどの完全さなのですが、なによりも冒頭に書いた人間ドラマ。
これにつきます。ドッロドロです。
恋愛とかそういうのじゃなくて、もう依存せざるを得ない!とかこうするしかない!とか心えぐられる物語ばかり。
4巻くらいまでは設定説明も兼ねていますので、4までは読んでください。絵の癖がとてつもないので合わない人もうるかもしれませんが、読む価値があります。
おそらくいつかはアニメになるでしょう。